次期CS放送18社に、松下・ソニー・民放など参入、郵政省認可へ、来年末にも始動。
 
 郵政省は十三日、二〇〇一年末にも放送開始予定の次期CS(通信衛星)デジタル放送に参入する放送事業者に、計十八社を認可することを決めた。在京の民放テレビ局五社の系列新会社のほか、大手家電メーカーの共同出資会社などが認可を得る。使用する電波の帯域が広い次期CSは今月から始まったBS(放送衛星)デジタル以上に、放送と通 信を融合した双方向サービスに適している。テレビを使った電子商取引などの高機能サービスが本格化する。(次期CSデジタル放送は「きょうのことば」参照)=解説13面 に  郵政省は十八日に電波監理審議会(郵政相の諮問機関)に認可内容を諮問する。電監審は同日にも諮問を認める内容の答申をする見通 しで、年内にも十八社に認可される。  テレビ東京、日本テレビ放送網など在京民放系五社がそれぞれ商社や家電メーカーなどと組んで設立した新会社五社はすべて内定した。  現行のCS放送事業者からは「スカイパーフェクTV」系のハリウッドムービーズなど四社、BSデジタル放送事業者からはWOWOW系のシーエス・プロジェクトとデータ放送の三社が入った。  松下電器産業、東芝、ソニーなどの“家電連合”が設立したイー・ポート・チャンネルやゲーム会社ジャレコ系のシーエス・ナウのほか、九州の企業連合が設立したシーエス九州などの異業種も内定した。松下など家電各社は次期CSで顧客管理業務などを手がける新会社も設立済みで、放送と関連サービスの両面 でCS事業に参入する。  次期CS放送は各社に割り当てられた電波中継器の帯域が大きいため、インターネットと組み合わせたテレビショッピングや株取引などの電子商取引がテレビ画面 で可能になる。また、十二月に放送が始まったBSデジタル放送と同位置にある衛星を使うため、受信機の共通 化が可能。BSとCS双方が一つの受信機で視聴できるため市場が広がるとみられている。  各社は特殊めがねを使って映画などを立体映像で楽しめたり、音楽や映像などをハードディスク内蔵型のテレビに取り込めるサービスなどを予定している。次期CSには十月に四十一社が認可を申請していた。郵政省は各社の財務基盤や事業遂行能力、サービスが高機能かどうかなどを審査してきた。

2000/12/14
日本経済新聞
朝刊1面


次期CS放送、18社に事業認可――高機能サービスそろう。

 郵政省は十八日、二〇〇一年末にも本格放送が始まる次期CS(通信衛星)デジタル放送に参入する放送事業者として計十八社を認可すると発表した。在京民放テレビ局五社が中心となって設立した新会社や大手家電各社の共同出資会社などが入っており、財務基盤と放送事業での実績を重視した布陣となった。認可するチャンネル数の合計は九三チャンネルで、来年中にも十社が放送開始を予定している。  郵政省は同日、電波監理審議会(郵政相の諮問機関)に認可内容を諮問し、電監審は諮問を認める内容の答申を行った。年内にも十八社に認定証が交付される。  認可する企業は民放系の五社のほか、現行のCS放送とBS(放送衛星)デジタル放送の事業者からそれぞれ四社ずつと、松下電器産業、東芝、ソニーなどの家電各社が設立した新会社や阪急電鉄、香港のパシフィック・センチュリー・サイバーワークス日本法人など。  放送内容では特殊めがねを利用した立体映像やテレビを使った電子商取引、多言語字幕などの高機能サービスがそろった。

2000/12/19
日経産業新聞
5面